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ハンググライダーと旅の記録

 

Hang Gliding Japan

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Posted on 17:25:07 «Edit»
2013
01/31
Thu
Category:World Championships

2013世界選手権回想録 その10 Day7 Task6 

1月13日
朝から強い風が吹いていたが、競技を決行。
112km北上した後、東に128km進む、総距離240km。
これが後に大きな禍根を遺すことになる、因縁のタスク。
task6

大会主催者の気象の読みは「前半は南風、ターンポイントから先は西風になる」とのこと。
そう上手くいくものなのか?






私はパドックから選手達を送り出すと、先頭集団の真下に付けることができた。
地表の風、標高、他の選手の動向を逐一伝えながら前進する。

「南風、5~6m」
「ちょっと強まってきた。7~8m」

ターンポイントを過ぎたあたりから、風がさらに強くなってきた。
日本チームは全員ターンポイントをクリアしているが、ここから先は、ゴールまで直線で進むと、ちょうど丘陵地の、しかも森林地帯の上を通ることになる。
幹線道路はゴールまでつながっているが、道路はタスクコースの10km以上も北側を通っている。
そこで、森林地帯の中を通る道路を行くことにする。途中からダートロードになるが、仕方あるまい。

この道を進み始めてすぐに、木が大きく揺れているのが目に入った。10m/sはある。
「地表の風、10mを超えてます。降りることになった場合は広くて安全な場所をよく選ぶように」

同時に、大会本部に連絡を取る。
「TP1付近、風が非常に強い。タスクを続行すべきではない」

本部にこう伝えたことを、選手に伝えるべきか、悩む。
見るからに強風なので、競技を続行せず降りるよう勧めても良いのではないか。
(実際、ドイツのチームリーダーはそうしていた)

しかし、予報の西風が入ってくれば、競技を続行し、ゴール者が出る可能性もある。
その場合、タスクストップの可能性を下手に伝えて、選手の動揺を誘うのもまずい。
空中にいる選手と比べて、地上からわかることは非常に限られているのだ。

後に選手達に言われたのは、こういう場合は「本部にタスクストップを進言した」という事実だけを伝えてほしい、ということ。その上でどう判断して行動するかは、選手が決めることだと。
なるほど、飛んでいる選手にとって有益な情報とは、そういうことか。

私が大会本部に進言して20分ほどして、タスクストップの連絡が来た。
本部から各国地上班への連絡手段は携帯電話のSMS。こうも圏外になる土地で、どのくらい当てにして良いものか、とも思うが、今は通じたことに感謝する。

「タスクストップが宣言されました。安全な場所を選んで降りてください」

選手達から続々と着陸地点の座標が送られてくる。
結局、コースから大きくそれた幹線道路沿いにほとんどの選手が降りている。

最初に回収したちーちゃんは、強風の中、一歩も動けずに待っていた。
二人がかりで機体を片付ける。たたんだセールでさえ風に煽られ、大騒ぎしながらのブレークダウンだ。
隣に降りているロシア人は悠々と片付けている。強風に慣れているということか。

濱里号・みっちゃん号の2台にも割振りをして、全員すぐ近くにいることがわかったので、回収完了と思いハンバーガー屋で夕食。明るいうちに片付いてよかった。

念のため回収状況を電話で確認すると、太田君がまだだという。
川の対岸、2kmくらいまでは近寄れるのだが、そこから渡る方法が見つからないという。
これは手間取ると直感し、急遽、回収の応援に向かう。

最終的には、太田君と同じ場所にいた他国選手に無線で連絡をもらい、道路の名前とそこに至る橋の情報を聞いて、下流に20kmほど下ってから川を渡って回収することができた。この間、3時間ほど。砂嵐のように風が吹き付ける中で待っていた太田君を回収した時には、11時近くになっていたように記憶している。
大会本部に帰着したのは、またしても日付が変わった後だった。

本当に、ここでの回収は難しい。
座標がわかっていても、そこに至る正解の道路を見つけるのが困難なのだ。
選手も、地上班も、疲労を蓄積していく。
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