ハンググライダーと旅の記録

 

Hang Gliding Japan

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2013
12/03
Tue
Category:Hang Gliding School

学生連盟 安全講習会の記録 

先日、学生連盟の安全講習会の講師をしてきましたので、内容を要約したものを掲載します。

・・・
まず簡単に自己紹介。
1992年に飛び始めたので、今年で21年。
あ、俺まだ生まれてもいないって思ってるでしょ。

はじめはパラで、2年生の終わりまでに200本ほど飛んで、3年生の春からハングを始めた。
これまでの飛行本数はハング900本ちょっと、パラ500本くらい。

インストラクターのほかに、ハング競技委員会の委員と、世界選手権の日本代表のチームリーダーをしている。これは選手ではなくて、代表チームのまとめ役で、主催者側との交渉や、通訳や、回収運転手をするのが仕事。
代表選手になりたいとは思っているが、まだ実力が伴わない。

元々の仕事は翻訳とハングの出張体験飛行で、自分の裁量で自由に時間を使える働き方をしてきた。
今はnasaに全面協力してスクールの仕事をしている。


私のことはこのくらいにして、本題に入りましょう。
事前に集めた質問の中で多かったのが、気象の話。
まずは気象について。

テレビやネットの天気予報というのは、あくまで一般人向けで、大雑把な地域、たとえば茨城県の北部と南部、といったスケール。
暑いか寒いか、雨が降るのか、傘を持って出かけるべきか、洗濯物が乾くか、という判断に使うのが目的。

ネットの「ピンポイント予報」では石岡市の上曽と小屋と大増と、別々に予報が出ているわけだが・・・
見比べたこと、ありますか?
周辺の町の予報と比べてみても、おそらく、ほぼ一緒でしょう。
解説文は、茨城県どころか、栃木、福島あたりまで全部一緒だったりして。

だから、これだけを見て「今週末は飛べそう、飛べなそう」なんて決めているとしたら、判断を誤っている可能性が高い。

空を飛ぶのに必要なのは、もっと局地的な気象の情報。
そこまで詳しいことはニュースでは教えてくれないので、自分で予想するしかない。

「そんなの難しい」と思った?

でも、実際に空を飛んでいる皆は、ある意味で、プロの気象予報士よりも優れた力を持っている。
ウェザーニュースに、内藤さんという足尾育ちのハング乗りがいる。
筑波大の学生の時に、気象の研究をしていて、気象現象を自分の体で体験したいといってハングを始めたそうだ。会社の中での実力番付で、毎年横綱を取る人。

この人がいわく
「毎年、気象予報士の資格を持った優秀な人が沢山入社してくる。
でも、ここで飛んでいる皆の方が、雲を見ただけで高さを言い当てるし、風向風速を体で感じて正確に把握しているし、よほど優れた感覚を持っている」。

生身で風に触れている皆は、知らず知らずに優れた感覚を身につけている。
講習生も、それを身につけ始めている。
だから、気象情報の読み方を覚えてしまえば、だんだんと自分で予想できるようになるので、心配しなくても大丈夫。

幸い、ネット上には実測値が無料で公開されている。
私が学生の頃は、テレビや新聞の天気予報と、NTTの177しか情報源がなかった。

まずは天気図の見方の基本。
天気図を見るなら、ウェザーニュース weathernews.jp の天気図。
実況と当日の予測、さらに12時間ごとの予測図が1週間先まで出ている。
スマートフォン版でもいいが、PC版で「今日のポイント解説」を毎日読むと勉強になる。

天気図に描かれている主な情報は、等圧線と前線。
等圧線というのは気圧が同じ所を結んだ線で、気圧の高い所を高気圧、低いところを低気圧という。

前線というのは、性質の違う空気の塊がぶつかっているところで、まずは寒冷前線と温暖前線と停滞前線を覚えておけばよい。

風は、
・高気圧から右回りに吹き出す。
・低気圧には左回りに吸い込まれる。
・高気圧から低気圧に向かって吹く
・等圧線に沿って曲がる
・等圧線の間隔が狭ければ風は強く、広ければ風は弱い

ここまでが基本、全体的な流れが把握できる。
これを「本流」とか「場の風」という。

ここに、地形の影響による風を当てはめる。
地形の影響というのは、たとえば平地と山。
日が昇って、平地の空気が暖まると、
暖まった空気は軽くなり、少しずつ高い地形の方に流される。
それが山の斜面に達すると、斜面沿いに上がって行く
これが「サーマル」。
そして、サーマルが暖かい空気を連れて行った分、周囲から空気が引っ張り込まれる。
講習場に時々吹く、強めの風がこれ。パイロットがサーマルブローなんて呼んでるのがこれ。

たとえばパラのテイクオフ。
筑波山から北に延びる山脈に足尾山や加波山があり、足尾山の手前で東に突き出した尾根の先端がパラのテイクオフ。
平地で暖まった空気が、最初に出会う大きな地形。

色々な方向から集まったサーマルの素が、みんなパラテイクオフから離陸する。
そして、風が引き込まれる。
だから、足尾のパラテイクオフはフライト確率が高い。
本流が西風でも、3メートルくらいまでの強さならば、サーマルブローが勝って東から飛べてしまう。こんな地形はなかなかない。

ハングのテイクオフも、パラよりは遅れるけど、最終的に東風が入ってくることが多い。
あるいは、東が入らなければ、その場から西にも飛べてしまう。
こんなエリアもなかなかない。

もう少し大きなスケールで、コンバージェンスというのがある。
これからの季節は特に注目。
コンバージェンスとは風がぶつかり合っている場所で、本流の風が強い日でも、コンバージェンスライン付近は風が弱くなる。

西高東低の冬型の気圧配置で、等圧線を見ると北西風が強く吹きそうな日。
普通に考えたら飛べないと思うけど、ある条件を満たすと(逆転層が2000m以下にある場合)マジックが起こる。

栃木県の日光連山にぶつかった風が、山の上を乗り越えられない条件が整うと、南側(利根川沿い)と北側(那珂川沿い)から回り込み、宇都宮~足尾付近で合流する。
ぶつかり合った風は上空に逃げる。
つまり、コンバージェンス帯そのものが一列の上昇風帯になる。
さらに、風がぶつかり合うので弱風帯になり、サーマルも吹きちぎれずに安定して育ちやすくなる。
上空に一列の雲ができて、雲のすぐ下をまったく落ちずに直線で飛べてしまったりする。
上手なパイロットは、これを使って片道50kmくらいの距離を行って帰ってきてしまう。

足尾周辺が弱風帯に入ってしまえば、周囲は北西の強風なのに、東風でバンバン講習ができてしまったりする。

こうして、フライト確率が高いのが、足尾の一番の良さである。
みなさんは、知らないうちに、実に恵まれたエリアを選んだのだ。


次に前線。
三角の印が寒冷前線、半円の印が温暖前線。
寒冷前線は、冷たい空気の塊が暖かい空気の下に潜り込んで押し上げている場所。
押し上げられた空気が上空で冷やされ、激しい雨や雷が発生する。これに伴って強い風も吹く。
寒冷前線は移動が速く、速いときは時速60キロにもなる。
朝の天気図で日本海沿岸に寒冷前線が描かれていたら、昼頃には茨城に到達するかもしれない。寒冷前線が接近してきたら、もう飛ぶことはできない。

温暖前線は、暖かい空気の塊が、冷たい空気の上に乗っかろうとしている場所。
寒冷前線と比べて動きは遅く、シトシトと弱い雨が降り続く。

冷たい空気と暖かい空気、双方の勢力が同じくらいで押し合いへし合いしている場合、停滞前線になる。この場合、三角と半円の両方が背中合わせに描かれる。
梅雨と春先と秋雨の時期には、毎日これが現れる。

とりあえず、1年生は、前線付近は雨が降ると覚えておけばOK。
雨が降ってしまったら飛べない。

しかし、前線の動きは予想するのが本当に難しい。
気象会社がスーパーコンピューターで計算しているモデルでも、正確には読めない。

特に停滞前線はどっちに動くかわからないもので、
位置がほんの数十kmずれるだけで天気は大きく変わってしまう。

温暖前線や停滞前線が近くにいても、直撃する前は曇りになるだけ。
そして、曇りの日は風が穏やかで練習向きのことも多い。
だから、可能性にかける積極性があれば、つまり、前線が近くまで来そうだけど、ギリギリ天気は持つんじゃないかと思って練習に来れば、チャンスはある。
曇りの日に無線誘導で5本も飛んだ、なんてことはよくある。


天気図を見て、おおまかな風向きを自分で予想したら、予想を裏付けるために、GPVというサイトを見る。
http://weather-gpv.info/
これは1時間ごとの風向風速をかなり正確に予測しているモデルで、地形も考慮されている。
これで1日の中の変化を見る。
ちなみにこのページの「雨量・雲量」の予測もかなり精度が高い。


まとめると、
みんなが「今週末、飛びに行くかどうか」を決めるには、
・天気図から本流の風を予想
・GPVの風向風速予想を見て自分の予想と突き合わせる
・ウェザーニュースや気象協会の「ピンポイント」予報は、参考程度に使う。

これで今までよりも自信を持って判断できるはず。
自信がなければ、遠慮なく前日の夕方にショップに電話して聞く。
私個人に直接聞いてもいい。既にそうしている人もいる。


しかし!
天気を予想することはできても、誰も予言はできない。
エリアの地元に住んでいるインストラクターでも、絶対などとは言えない。

では、講習や飛びに行くか、行かないか、その判断基準は?

ある人がこの前、ツイッターで良いことを言っていた。
確実に飛べるなら行く/確実に飛べないなら行かない。
どっちがより、飛べる可能性が高いか、
上達する機会が得られるか。

本当に飛びたければ、飛べる条件の時に、テイクオフに立って構えているということが大事。
人間には元々、空を飛ぶ機能はついていない。
鳥は毎日飛ぶけれど、人間が飛べるのは、お天道様が許してくれる時だけ。
つまり、雨が降らず、視界が良くて、風が穏やかな時。
それを予測できるか?
誰にも100%はできない。

ハングやパラは、はっきりした答えが出る世界ではない。
大体この方向とか、確率的には高い・低い、ということしか言えない。
このへん、高校までの勉強とは違うところ。

室内スポーツとも違う。
卓球は台とボールとラケットがあれば必ずプレイできるし、
屋内プールも休業日でなければ泳げる。波が荒れて泳げない、ということはない。

ハングやパラが、外で自然を相手にするスポーツである限り、絶対ということはあり得ない。
だから、あきらかに飛べない予報の時以外は、エリアに行ってみるしかない。

つまるところ、自己責任による意志決定。
飛びたい、上達したい、という気持ちがあるならば、空振りを恐れず、現場に行ってみるしかない。

「自己責任」という言葉は、日本の社会だと妙な使い方をされるが、本当の意味は、人のせいにしないこと、良い結果も悪い結果も受け入れること、これが自己責任。

フライヤー登録の裏面に書いてある。
1番目の項目が「自分の意志と責任でフライトします」
この他に3項目あるが、実は深い内容なので、よく読んでおいてください。


ここで、「責任」の他に「意志」も出てきた。
皆さんに覚えておいてほしいのは、人の意志があるところに道は開ける、ということ。

そもそも飛ぼうと思った意志を貫いたからこそ、今、空を飛んでいる自分がいる。
もうすぐ飛べる講習生もいる。
人が何かしたいという意志を持って行動して、初めて何かが成し遂げられる。

そういう意味で、たとえば朝早く起きて準備するのも大事。
早い時間帯ならば「逆転層」のおかげで風が弱いこともある。
講習生や誘導生は特に、この時間を狙うべきである。

たとえば・・・
ある学生は、夜中にショップに着いて、眠いので受付時間ギリギリまで寝て、早く上がれと人に言われて準備をして山に上がり、のんびり準備をして、夕方1本飛びました。
降りた後は漫画を読んでました。

ある学生は、早く起きてショップで受付をすませ、真っ先に山に上がり、風が弱いうちに1本。
サーマルの出る時間帯はまだ飛べないので、テイクオフで昼寝をしてもいいし、
あるいは、人の手伝いをしたり、上手な人の飛び方を見たり、雲のでき方・消え方を観察したり。
夕方、風が落ち着いてからもう1本飛びました。
ショップに戻ったらインストラクターをつかまえて、今日のフライトについて助言をしてもらいました。

2人とも、同じ講習料金をショップに払っているし、交通費も割勘で同じ額を使っている。そして、片道3時間も4時間もかけてエリアに来ている。

学生はお金がないと言うが、せっかく働いて作ったお金、生きた使い方をしているだろうか?

お金を払って習いに来てくれた講習生が、時間をどう使うかまでは、インストラクターは指示しない。それは本人が決めることだから。

同じ1日という時間を、どう使うかは本人の自由。
私も漫画は好きだし、宿舎には面白い漫画が沢山あるから、気持ちはよくわかる。
でも、せっかくならば、エリアに来ている日ぐらいは飛ぶということに集中した方が、充実した1日になると思うし、時間とお金を有効に使えるのではないだろうか。


さて、次の話題。
個人の行動と全体の利益、という話。ちょっと硬いかな。

学生のみんなを見ていると、みんな仲が良くて、協力して行動していて、とても良いなあ、と思う。私の学生の頃より、よっぽどお互いを思いやっているな、と思う。

ただ、何か行動を起こそうという時に、何となくその場の雰囲気に流されて、誰かが動くまで待ってしまってるように見えることもある。

たとえば、一人一人が「自分はこうしたい」と言って動き始めたら、他の人もつられて動き始めるのではないだろうか。そうすると、結果的に全員が得することになるのではないか。時間を有効に使って行動できる。

みんな、好きなことをしに来ている。
だから、自分のやりたいことを尊重してもらえるように、他の人のやりたいことも尊重する。これが本当の個人主義。
勝手気ままなことをするのとは違う。
飛んでいる時は1人だけど、1人ではできないのが、このスポーツ。
飛んでいる間は1人で、全て自分の責任で飛ばなければならないのだけど、車での山上げ、強風時のテイクオフ、アウトランディングやクロカンの回収と、必ず人の手を借りる場面が出てくる。

同じエリアの人どうしで協力が必要である以上、自分の都合だけ優先していてはダメで、お互いを尊重する必要がある。

ただし!
人の顔色を窺うのではない。
自分は何がしたい、というのがハッキリしていた方が、お互いが動きやすいということ。
「どうしたいの?」と聞いたときに
「合わせるよ」
「好きな方でいいよ」
と言われるのが一番面倒でしょう。

自分の意志をはっきりと示し、お互いのやりたいことを尊重して行動する。
長く飛んでいる人は、いわゆるフライヤー気質というやつで、完璧とは言えないけれど、これをかなりの程度、実践しているはず。

私は、初めて足尾に来たときから、ここは本音で話せる、居心地の良い場所だと思っているが、その理由の一つはこれだと思う。



もう少し、心がけのことを話しておきます。
私の後輩のシゲトの名言に「ハングは地上戦」というのがある。
空中戦ではなく地上戦。
つまり、良いフライトをしたければ、地上でできることは全部やっておくということ。

空を飛ぶ機能を持っていない人間が飛ぼうとするならば、自然界、つまり気象条件が許してくれる時しかない。
その時に備えて人間が確実にできるのは、
・知識を増やすこと
・情報を集め分析しておくこと
・機材を調整しておくこと
いずれも地上でできることで、空中での判断に大いに役立つ。

1日の中で実際に飛ぶ時間は、本当に短い。
上手な人でも、3時間も飛んだらお腹いっぱい。
3時間というとなかなか長いフライトだけど、エリアまでの移動時間とエリアでの滞在時間と比べたら、ほんの一部に過ぎない。


昔から「飛行機乗りの3割頭」といって、空中では地上にいるときに比べて、どうしても判断力が鈍ってしまう。
どんな達人でも、後で地上で考えたら、何でこんなことしたんだろう、というミスをする。
地上の3割しか頭が働かない。
なぜか。

「畳1枚の幅の道を歩け」と言われたとして、地上なら簡単。
では上空2000mに畳1枚の幅の道があったら、平気で歩けるか?
怖くて歩けませんね。この違いが3割頭を生む。

そこで、地上での準備が大切になる。
よく寝て、よく食べて、体調を万全にしておき、気象条件を頭に入れてフライトプランを作り、素早くセットアップしたら入念にプレフライトチェックしつつ、空を観察する。
こういう心がけが、気象条件を最大限に生かしたフライトにつながる。


セットアップといえば、セットアップとパッキングの速さも技術のうちである。
早く準備ができれば、1本多く飛べるかもしれないし、1回多く、山上げ車に乗れるかもしれない。

セットアップを速くするコツは、行ったり来たりしないように段取りすること。
たとえば、バテンを出して、地面に並べて、1本ずつ拾って組んでいたら、時間がかかって仕方がない。
左右を分けたら、先端をそろえて置いておき、長い物から順に拾って組んでいけば良い。
これだけでセットアップの時間は大幅に短縮する。

パラのラインチェックも同じ。準備の早い人を見つけて、コツを教えてもらうのも良いと思う。ここでは、Aライザーとブレークの使い方、とだけ言っておくので、詳しく知りたい人は後で聞きに来てください。


そして、機体ケースをハーネスに詰めて、無線機を付けて、といった手順を、全部パターン化して決めておく。
そして、行ったり来たりしないで、一筆書きの動きでセットアップできるようになれば、準備の早いパイロットになれる。


そして、私は降りたら、ハングは15分以内、パラなら10分以内に必ず片付けている。
たたむのが速ければもう1本飛べる可能性が出てくるし、そもそも、紫外線で機材が傷む=減るのが嫌だから。
数十万円もする機材をみすみす減らすことはない。
機体が傷むとあらゆる速度域で性能が悪くなるので、楽しくないし、上達も遅くなる。

たたみ方もやっぱりコツがあって、いかに無駄な移動をしないかを考えて段取りをする。
ハングなら、翼端カバーとベルクロは最初にポケットに入れておく。
これだけで動く距離が相当少なくなる。



安全講習会なので、「リスク管理」について話しましょう。
ハングやパラは、自然の風の中を飛ぶスポーツだし、人間にはもともと空を飛ぶ機能はついていないので、どうしてもリスクは伴う。

だからといって、危ないから飛ばないというのでは、飛ぶことによって得られる楽しさや感動、時には悔しさ、それを乗り越える達成感、といったことは絶対に得られない。

逆に、危険だろうが何だろうが、イケイケで飛んでやろう、という人は、やはり危険な目にあう確率が高いし、それで怪我をしたり、下手をすると死んでしまうかもしれない。

自分の技量、体調、機材と、気象条件を比べて、無理のない範囲で飛ぶ。これが大事。
リスクをどう評価するかは、はじめのうちはインストラクターに聞くしかない。上達してきたら、自分なりの評価をして、それが正しいかどうか、上級者やインストラクターに聞いてみる。自分で考えることで、状況判断の力がだんだんとついてくる。


もう一つ大事なのは、怖い思いをしないということ。
難しい条件の時に飛ぶと上手くなるか?
実は、無理して飛ぶと、上達は遅れる。
怖い思いをすると、難しくない時に機体が揺れただけで怖くなってしまう。
怖いと思うと体は動かなくなるし、思考も停止してしまう。

だから、あやしい風の時は飛ばないに限る。
呪文を一つ覚えておいてください。
「迷ったら安全側」
迷うようなときは、何か不安な要素がある。
ならば、それが解消されるまで飛ばない。

私の座右の銘は「無事是名馬」。
これ、中国の古典の格言かと思ったら、競馬好きの人が言い出したものらしい・・・
特別速くなくても、病気やケガをせず、毎回元気に走る馬こそが名馬である、ということ。

私はハングとパラでケガをしたことは一度もないし、これからも絶対にしたくない。
最初に今までの飛行本数を言ったけど、やけに少ないと思いませんでしたか?
21年も飛んでいて1500本に満たない。

山沈した人を助けに行って自分が飛ぶのをやめてしまったことが多いのもあるけど、あやしいときは飛ばない、というのを徹底しているから。

こうやって、控えめに飛んでいても、皆に教えることができる程度の技術や知識は身につけることができているし、ハングとパラのタンデムで素人さんを乗せることもできる。
タンデム証をハングパラの両方とも持っている人はあまりいないはず。



機体の乗換についても質問があったので、リスク管理と絡めて説明します。

乗換えは、乗りこなせる、ということが最重要。
乗りこなせない機体では、操縦に全神経を持って行かれるので、状況判断力が不足する。

憧れやカッコつけで乗らない。
自分の普段の飛びを知っているインストラクターに相談する。
カッコいい機体でも、乗りこなせていなければ「カッコ悪い」。

パラで「上級機だからライズアップが難しい、テイクオフできない」と言ってるのは大間違い。少なくとも、自分より下の技能証の人が出られる風ならば、当たり前に出られなければいけない。そうでないなら、その機体に乗るのはまだ早い、ということ。

4年生は特に、卒業して飛行本数が減っても安心して乗り続けられるか、ということを意識してほしい。
学生の頻度で飛んでようやくギリギリの難しい機体では、卒業後に飛ばなくなってしまう原因になりかねない。
乗換える時は、以上のことに気をつけて下さい。
乗換の難しさばかり話してしまったけど、性能の良い機体に乗換えると、行動半径が広がって、これまで以上に飛ぶのが楽しくなるので、上手になって乗換えて、自分の空を広げてほしい。



さて、上手になるにはどうしたらいいか、とよく聞かれる。
上手くなるってなんだろう、

みんながみんな、2000m上げて100kmのクロカンに出なくてもいいと思う。
自分に合った楽しみ方を見つければ、それでいい。
ただし、最低限、自分のことは自分でできるレベルまでは上達しておいた方が、ずっと楽しい世界になると、これだけは言える。

そして、上達の早さは人それぞれ、色々な上達の仕方がある。
お勧めしたいのは、大きな目標を作る、ということ。
八郷一周するとか、
田舎に家がある人は自宅にゴールするとか。
世界選手権に出るとか。
大きな目標があると、具体的な練習方法を考えるようになるので、早く上達するし、やる気も維持しやすくなる。

とにかく大事なのは、学び続ける、ということ。
どんなに上手になっても、「これ以上学ぶことはない」ということにはならない。

技術の上達も、一直線にうまくなることはあり得ない。
練習してできるようになって、不得意なことが出てきて、また練習して上手くなる。
成長曲線は必ず上下しながら、それでも続けていれば上昇していく。
うまくいかないことが続くと、俺は才能がないのだろうか、と思いがちだけど、そんなことはない。
私も何度もそう思って来たし、今でも決して自分が上手いとは思っていないけど、何年か前の自分と比べれば確実に上達しているとは思う。

失敗するのは当たり前で、むしろ、ケガをしない程度の失敗はした方が良い。
そうすれば安全について真剣に考えるようになる。
大事なのは、同じ失敗を繰り返さないこと。

ハングやパラは上達に長い時間のかかるスポーツ。
はじめの段階はすんなり行っても、途中で行き詰まる人もいる。
講習時代は不器用だったのに、しばらく飛んでいるうちに急に上手くなる人もいる。

人がどこで目覚めて上達するかは、誰にもわからない。
確実に言えることは、続けていれば上手くなるということ。
私より上手な学生は沢山いたが、卒業して数年して、飛ばなくなってしまったら、それでおしまい。人生飛ぶことだけではないが、飛ぶことに関しては、飛ばなくなってしまったらそれでおしまい。
そして、続けるためには、楽しむことが大事。

練習そのもの、飛ぶことそのものが楽しいうちは大丈夫。
行き詰まってくると、楽しさが見えなくなってくることもある。
そういうときは、インストラクターに相談して下さい。
授業料を払っているのだから、インストラクターは使わないと損。
わからないこと、不得意なこと、あるいは自分の得意なこと、何でも話して相談してほしい。私たちは、皆が楽しく飛んで上手になるのが楽しみなのです。


私からは以上です。
まだ時間があるので、事前に寄せてもらった質問のいくつかにお答えしましょう。


問:これまで気象に関してどのような勉強をしてきたか知りたい。

答:
今のように詳しい気象の情報が誰でも得られるようになったのは、ここ10年ほどの話。
その前はテレビや新聞の天気図程度しか情報がなかった。
大学4年の時(1995年)気象予報士の第1回試験を受けようと思って勉強した。
予報士の資格を取ってもデータが入手できないと予報はできないし、フライトには直接役立たないと思い途中でやめた。
現在だったらインターネットでデータが入手できるが、当時は普及していなかった。

足尾には、気象現象を実際に体験したくてハングを始めたという内藤さん(ウェザーニュース)がいるし、毎日空を見ている板さんがいる。30歳前後の若い世代もよく研究していて、日産で働きながら大学院で研究しているトヨタ君もいる。

私自身は、こういう人たちから知識を分けてもらっている状態。
コンバージェンスの原理は塩野さんに説明してもらった。そんなことがあるのかと驚いたのを覚えている。

飛ぶための気象の読みは、実際の経験が物を言う。
毎日、気象データを見て、空を見て、予想と実際を比べることを繰り返すことで精度が上がっていく。


問:
飛んでいるときに風向きを知りたい。感覚を研ぎ澄ますしかないのか?それを身につけるための効果的な練習方法は?

答:GPSがあれば表示してくれるが、自分で判断する方法ももちろんある。
・地面が近ければ360度旋回して流され方を見る。旋回を始めたときに真下にあった物が、1周後にはどの方向にあるか。わからない程度なら、風は弱いということ。
・直線飛行中に、地平線上の目標物を見て、左右どちらに自分が流されるかを見る。背景がどっちに流れていくかで判断する。どっちでもなければ向い風か追い風ということ。
・これはランディング時にも有効。多少斜めの風でファイナルに入った後でも、完璧に風に正対させることができる。
・雲の形で上空の風向きを知ることもできる。雲頂がどっちに傾いているか。
・雲の流される方向は、雲自体を見てもわかりにくいので、影を見る。


問:
吹き抜ける場所に行ってしまったりして、飛んでる最中に風が強くなった場合、ランディングまでの距離が遠くても、沈下の大きくなるアクセルを使うべきか。届かなくなる恐れはないか。

答:ポーラーカーブの図解、説明。
向い風とシンクの中では、最良滑空速度よりも速く飛ぶ。
アクセルなしではよけい届かなくなる。


問:
「こういう場所は危ない」という場所は?

答:1.吹き抜け。地形の狭まる場所。ハングテイクオフにパラで低く近寄ると前に出られなくなる。
2.ローター。山や木の風下側は乱流になる。


問:
360度旋回すると,山に衝突しそうで怖いことがある.実際はそれほど近づいていないようだったが,どこまで近づけるのかわからないのでアドバイスが欲しい。

答:それは正しい。怖いと思う距離では飛ばない。
・360度旋回は、山の高さを超えてからすればよい。
・十分な距離がある場合でも、速度を落としていると山際で取られた時に対処できないので、少し速めの速度で飛んでおく。
・翼端から斜面までの距離感は、機体を乗りこなすことで磨かれる。
・穏やかなリッジの時に少しずつ寄せてみて「車幅感覚」を磨く。


問:ハングの上手いアプローチの仕方。

答:ファイナルターンを高め・遠めで切り、直線を長く取るのが良い。
・低空でバンクをかけると翼端をぶつけて危険。
・フレアが上手くいかない人はアプローチが悪いせいの場合が多い。
・アプローチの組立ては「逆算」でおこなう。
この風向・風速でターゲットに降りるには、この向き・距離でファイナルアプローチをかける必要がある。そのためには、ここでファイナルターンを切る必要がある。そのためには、その一つ前の旋回をここでする必要がある。そのためには、このあたりで高度処理をする、という順番で考えておくこと。


問:
ファイナルのタイミング。

答:普段からグライドパスを意識しておき、自分の機体の滑空比を把握しておく。
・アプローチ中は、ターゲットを見続ける(周囲警戒しながら)。
・横を見ての直線飛行中に、視野の中でのターゲットの高さの変化を見る。
・旋回のバンクとスピードで沈下速度が変わるので、これを利用して高度を調整する。
・カッコ良さよりも、確実であること。
・ハングならランディングで早めにアップライトを持つ。
・パラなら早めに脚を出す。


問:
これからの冬の時期に飛ぶ際に注意することは?

答:寒さ対策。寒さで体力が落ちると判断力も鈍る。ランディングする分の体力を残しておくこと。
・外側に風を通さないもの(ウィンドブレーカー)、内側に空気をためるもの(フリースやダウン)
・フライトスーツは飛ぶために設計されているので最適だが、高価で手が出なければスキーウェアでもOK。
・手袋の質も大事だが、胴体を冷やさないこと。胴体が温かければ末端も冷えにくい。上着を替えたら今までと同じ手袋でも寒く感じなくなったという経験がある。


問:
プレフライトチェックで見るべき点

答:最低限、自分が組み立てた場所は全部確実に組み立ててあるかを確認する。
・目で見るだけでなく、必ず手で触りながら確認。
・ワイヤーの被覆に傷はないか。ワイヤーの撚り線が1本切れると全体の強度は半減する。
・リングピンは変形しやすいので毎回確認。
・特にクロスバー・リーディングエッジの金物は要注意。
・ハングはコントロールバーのコーナーから始めて、一筆書きで1周する。
・パラはラインチェック、ハーネスのベルトを下から順に確認、パラシュートのピンが抜けていないか確認。


問:
変なことした覚えがないのによくラインが絡むのをなんとかしたい。

答:変なことをしているからです。
・パラをたたむとき、絞ったラインが重ならないようにキャノピーの上に置く。
・最後にキャノピーを折りたたむ時、ラインが1本2本と出ていると、そこにライザーを通してしまうこともある。
・広げる時、キャノピーを軽く広げたらラインを伸ばしてから全部を広げる。ラインを伸ばす前にキャノピーを開くと絡むことがある。特に細いラインの機体。


問:
パラで綺麗にランディングできた、と思った時でも足にじんとした痛みを感じることがあるのですが、これは勢いを殺しきれていないいないということでしょうか。ランディングのこつを聞きたい。

答:
風が弱い時はある程度仕方ない。
テクニックとして、スピードをつけて(ブレークを引かずに)ファイナルアプローチに入り、接地する少し前に肩まで引いて軽いピッチングを起こし、体が前に出たところでフルブレークをかけるとフワッと降りられる。タンデムでも使う技。


問:
低速の使い方

答:最小沈下速度は意外に遅くない。
・ハングはニュートラル、パラは耳~肩の高さ。
・遅すぎるとバンクをかけたときに失速してかえって沈下する。
・全くのぶっ飛びの日に、バリオを見ながらスピードを変化させて自分で確認する。


問:
ツリーランした時はどうすれば良いのか(場所の連絡とか)

答:まずは自己確保(落下防止)。「シュリンゲ(輪にしたロープ)」を枝にかけてカラビナでハーネスとつなぐ。これでずり落ちない。
・無線機や携帯電話でショップに連絡(負傷の有無、場所、自己確保の状況)
・自力で降りようとしない。
木登り名人がこれで死亡している。恥ずかしい、人に迷惑をかけたくない、という気持ちがあっても、二次災害は絶対起こしてはならない。
・寒くなったらパラシュートを引き出してくるまる。超断熱素材だから暖かい。


問:
ツリーラン・田んぼ沈などアウトランしたときの対処

答:まずは身の安全を確保する。
・木の上なら、自己確保して無線や電話でショップに連絡。
・携帯電話は、片手ですぐ出せる場所に入れておく。
・アウトランディングの場合、機体を安全な場所に置く。
・土地の持ち主を捜してあいさつしておく。
・冬の田んぼだと「何も植えてねぇから大丈夫だ」と言われることが多いが、これは、挨拶をしたから帳消しになったと解釈すべきである。
他人の土地に降りて黙って帰ったら、ハングやパラに対する悪い印象を与えてしまう。


問:
山沈、スタ沈、ハードクラッシュ、アウトラン、講習場での事故等、非常事態に立ち会ったとき、今の足尾において自分たちは何をすればいいのか教えてほしい。nasaがしてくれること、自分たちがすべきこと(nasaがしてくれないこと)を明確に知りたい。

答:エリア内で事故による負傷者が出たら、基本的にはショップのスタッフが対応し、必要に応じて救急車を呼ぶ。
・事故発生地点が車で到達できない山の中の場合、スタッフだけでは対応できないこともあるので、会員(もちろん学生も含む)の協力が必要になる。
・山沈は消防署の人には対処できない。
・道具を使って安全に木に登れるように練習しておく。
・木に登れなくても、回収道具や水を持って現場に駆けつけ、回収のサポートをし、回収した機体や、場合によってはパイロットを運ぶ人手も必要になる。
・もちろん誰もが。貴重な休日に、楽しく飛ぶために来ているわけだが、同じエリアの人は皆仲間。ピンチの時は人助けをするのも大切。
・「やったことないから」といって手を出さない人は一生何もできない。幼稚園の砂場で一生遊んでいろ、と言いたい。わからなければ自分から申し出て学ぶ。
・非常事態は誰にでも起こり得る。自分が人に助けてもらうことがあり得るならば、人が困った時に役に立てるようになっておくべきではないか。
・負傷者への対応は、消防署による救急救命講習を受けるのが一番。
・希望者が集まればいつでも無料で来てくれるので、積極的に提案してほしい。
・八郷消防署でなくても、大学の近くの消防署に申し込むのも良い。
・各地の赤十字も講習を実施している。
・応急措置で命を救えることは多いし(むしろ飛び以外の場で)、非常事態に備える気持ちが身に付く。
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Posted on 00:17:15 «Edit»
2013
06/26
Wed
Category:Hang Gliding School

今どきの学生 

しばらく更新をサボってました。
日常にネタは山ほどあるのですが、Facebookに書いているせいもあり、ブログが億劫になってついつい筆不精になっていました。

さて、4月以来、大学生の講習生に教えたり、新人の勧誘や大会の準備に関わったりして、今どきの学生と接しての印象です。

一言で言うと、優秀。
私の学生時代より、はるかに出来が良い。

大会や行事があれば、かなり前から準備を始め、連絡を取り合って、役割を分担して仕事を進める。進捗を報告しつつ質問をしてくる。その内容は具体的で、こちらも助言しやすい。必要な情報を出すよう求めると、求めた以上のレベルのものを、短時間で出してくる。

ゆとり世代はガッツがないなどと言われますが、少なくとも私の周辺の若い人たちには当たりません。ハングの講習で一番キツいはずのグランドハンドリングも「楽しい。もっとやらせて下さい」と言いながら走り回っています。ゆとりの時間を、好きなことに活用して伸び伸びと育った人が多いのではないでしょうか。

ただ、気質が違うのは感じます。20年以上も世代が違えば、育つ条件も気質も違って当り前でしょう。

私の世代は人口が多く、学校の1クラスに45~50人ほどもいて、一人一人に細かく教えてもらった記憶はありません。何かを身につけようと思ったら、自分からガツガツ主張し、行動する必要がありました。
今は子供の人数が少ないので、昔よりはよほど丁寧に育てられているのではないかと思います。


心がけているのは、方針を示すことと、誉めて伸ばすこと。そして、競争させるよりは「みんなで上手くやろう」という雰囲気に持っていくこと。

講習では、練習の目的を説明し、実演して見せながら解説し、一本ごとに良いところを誉めつつ、上手くいかなかったところを説明しています。
そうすると、若い人たちはちゃんと期待に応えてくれます。


ハングやパラの仲間が減少傾向にある中、若い人たちは未来への希望です。
今講習している全員と、一緒に飛べる日が来るのを楽しみにしています。
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Posted on 21:03:26 «Edit»
2013
04/15
Mon
Category:Hang Gliding School

学生サークル合同見学会 

足尾エリアで活動する学生サークルの合同見学会。ハング、パラのグランドハンドリングとトーイングで歓待、42人全員に体験してもらい、つかみは上々。上級生やOBも沢山集まってくれて、楽しい一日でした。
1人でも多く講習を始めてもらい、みんな立派なパイロットに育て上げたいですね。

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 お疲れ様です
お手伝いに行けずすみませんでしたm(__)m
参加した新入生から「とても楽しかった!」と聞きました!
  by チャンコー
 それはよかった
新入生に楽しんでもらえて、まずは良かった。ずっと続けてもらうよう、これからの働きかけが大事!
ちゃんこー、初仕事の時に手伝ってくれたことはずっと忘れないよ。
  by kitano masahiro
Posted on 18:23:51 «Edit»
2012
11/26
Mon
Category:Hang Gliding School

やさとクラフトフェア 

やさとクラフトフェアでハンググライダー体験飛行をしました。
私が最初に体験飛行の仕事をしたのが一昨年のクラフトフェアだったこともあって、思い入れのあるイベントです。初日は雨が降ったものの、2日目、3日目は良く晴れて沢山の人に体験飛行をしてもらうことができました。

陶芸、木工、彫金、有機野菜、などなどの作家さんたちが集まる楽しいお祭りで、20年ほど前から続いています。
会場は板敷のランディング場で、ハンググライダーのローカル大会「板敷オータムフライト」とからめて開催されているのです。
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1人飛び始めると、大勢の人が集まってきて見ています。
飛ぶということに興味のある人は、実は沢山いるのだな、ということを実感します。
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オータムフライトも成立、沢山の選手が飛びました。
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最終日の夕暮れ。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました!
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今年の体験飛行イベントはこれにて終了。
来年は年明け早々から世界選手権、その後、これまた思い入れのある場所での体験飛行イベントがあります。
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Posted on 23:18:55 «Edit»
2012
10/22
Mon
Category:Hang Gliding School

小学生とハンググライダー 

10月は3週連続で、岩手県の小岩井農場 まきば園でハンググライダーの体験飛行をしています。
大人も子供も簡単に飛べてしまうので、かなり好評です。
私が子供の頃は、こんなに簡単に空を飛ぶ方法なんて存在しませんでした。

何より、園内放送で「ただいまハンググライダーの体験飛行をおこなっております」と流れるのも良いし、人々の口から「ハンググライダー」という言葉が自然にあふれ出ているというのも、今まで考えられなかったことです。

それでも、基本的には遊園地のアトラクションとしてとらえられているので、やはり時々、「これでハンググライダーの普及につながるのだろうか?」などと弱気になってしまったりもするのです。


でも、今回は勇気づけられる出来事がありました。
とっても元気な小学生の男の子、飛ぶ前から大興奮で、歓声を上げて飛びました。
いわく、初めて乗る空の乗り物がハンググライダー。そりゃそうだよね。

そして夕方、撤収を始めようかという頃。
この子が走り寄ってきて、こう聞くのです。

「また来てくれますか?」

不覚にも、その意味を一瞬理解しそこなった後、思い出しました。
茨城県からイベントとして来ているということを説明していたのです。

「もちろん。来週も来るし、来年もできるようお願いしているところだよ」
「やった~~~!!! お母さん、来週も来ようよ!」
ちょっと苦笑するお母さん。

私は答えました。
「大人になったら、ハンググライダー習いに来てね。一緒に飛べるようになるのを楽しみにしているよ」
「うん、きっと行くよ!」
握手して約束。

この日が、この子にとって、記憶に残る1日になってくれたことを願います。
私にとっては、おそらくそれ以上に、印象深い1日になりました。
「翔」という字を名前に持つこの少年が、10年後にスクールに来てくれるという楽しみができました。
tb: (0)    com: (2)
 
やりましたね!
一人の子供がそれだけ感動しているということは、他の方も感動しておるということだと思います。
さらに、このイベントを日本中で展開すればどういうことになるか?

可能性は無限だと思います!
  by 山本み
 Re:
山本さん、ありがとうございます。
こういう大切な出会いの一つ一つを積み重ねて、ハングの輪を広げていきたいですね。
  by kitano masahiro
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