ハンググライダーと旅の記録

 

Hang Gliding Japan

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Posted on 22:53:33 «Edit»
2015
01/08
Thu
Category:Hang Glider

ランディングアプローチ考察 

ランディング場で無線誘導をしていて気になるのは、ランディングアプローチだ。
講習生の話ではない。
彼らは技量は拙くても懸命に指示を守り、やがて安心して見ていられるパイロットに育っていく。

気になるのは、いわゆるベテランのランディングアプローチだ。
こう言っては難だが、安心して見ていられないパイロットが意外に多いのだ。

その中でも特に気になるのが「180度旋回一発で降りようとする」アプローチだ。
1.ランディング場の風上側で高度を落とす
2.風下に向かう
3.180度旋回して風上を向く
4.アップライトに持ち替えフレアー

「なんだ、普通の降り方じゃないか」と思った人は要注意。
どうやって狙った地点に降りているのか、と聞かれて答えることはできるだろうか?

2と3の間で一気に進行方向が反対になり、風は追い風から向かい風に変化する。
バンクが変化するので沈下率も変化する。
この状況で狙い通りに降ろせるパイロットは、ほとんど神業と言っていい達人だろう。

たいていの人は、思い通りの場所には降りられず、手前か奥に降りている。
高すぎてS字を振ってみたり、逆にショートしそうになってギリギリまでベースバーを持っていたり。

「フレアーのタイミングがわからなくなった」という人も、その原因はアプローチにあることが多い。
ファイナルアプローチに余裕がないから、機体を安定させ、アップライトの手応えからフレアーのタイミングをはかることが難しくなるのである。
高め遠めからファイナルアプローチをかけることができれば、講習斜面と変わらないのだから、飛び慣れたパイロットならばフレアーのタイミングは容易にわかるはずだ。


推奨したいアプローチは、180度旋回ではなく90度旋回2回に分ける方法だ。
1.ランディング場の風上側で高度を落とす
2.風下に向かう
3.90度旋回して、横目でターゲットを見ながら直線飛行をする
4.90度旋回して風上を向く
5.安定した直線飛行に入れる
6.アップライトに持ち替えフレアー

ポイントは3で、この部分を「ベースレグ」とか「ベースライン」と呼んでいる。
ベースレグを長くとることが、ランディングの精度を上げるコツだ。
ベースレグでは直線飛行をしているので、進行方向も沈下率も一定だ。
だから狙いをつけやすい。
高度が低ければ、早めにファイナルターンを入れてターゲットに向かう。
高度が高ければ、ファイナルに入れるタイミングを遅らせる。

ファイナルに入るタイミングは、どうやってはかっているだろうか?
おそらく、無意識に「グライドパス」を見て決めているはずだ。
無意識にしていることを意識的にすることで精度が上がる。

グライドパスの見方は、「到達できない場所は視野の中でだんだん高くなっていき、飛び越せる場所はだんだん下に消えていく」。
ベースレグを飛ぶ間、ターゲットを見つつ、進行方向のグライドパスも見ておく。
ターゲットが「下に消える」距離にある間はファイナルターンを切らない。
「もう少しで飛び越さなくなるな」というタイミングでファイナルを切る。
このとき高度がやや高ければ、ファイナルターンのバンクを深めにしたり、スピードをつけたりして、沈下を大きくする。
それでもまだ高ければ、早めにアップライトを持って引き込むことで高度を落とす。

「ベースレグの長さ」
「ファイナルターンの深さとスピード」
「アップライトを持つタイミングと引き込み量」
この三つで高度を調整し、着陸精度を上げつつ、余裕を持ったランディングをすることができる。


「8の字アプローチ」は、要するにこのベースレグを繰り返す降り方だ。
講習生には、ターゲットからつかず離れず一定の距離を保つよう指示しているが、これがグライドパスとファイナルターンのタイミングを見る練習になっている。

しかし、高性能機では風が強い時を除いて、8の字アプローチはお勧めできない。
180度旋回をするたびに前に出てしまわないようにするには、風下方向に大きく戻らなければならないし、
ファイナルの一つ手前の180度旋回で、対地高度があまりない状態で深いバンクをかける必要が生じるからだ。
高性能機で8の字アプローチができるのは、強風の時か、ランディング場がかなり広い場合だけだ。


冒頭に挙げた180度一発アプローチが、なぜ昔は奨励されたのか。ご存知の方がいたら教えてほしい。
私の推測では、昔の高性能機は操縦性が悪く、旋回に入れたり直線に戻したりが難しかったせいではないかと思っている。
いちいち90度旋回して直線に戻したら、次の旋回に入れられない恐れがある。
だから、180度旋回のバンクを入れたり戻したりするだけのファイナルターンが良いとされたのではないかと。
現在市販されている機体に、そんな操縦性の悪いものはない。
安心して、90度旋回からベースレグをたっぷりとり、正確なランディングを目指してほしい。
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180度一発アプローチがはやっているのは たぶん見た目かっこいいからじゃないかな 上級機でファイナル一発でずばっと決めてるの うまいなーって思うから。
ちなみに自分は8の字ぐりぐりで降りてます 昔は前に出ちゃって悲しい思いもしました
  by ぱの
Posted on 21:24:40 «Edit»
2014
11/21
Fri
Category:Hang Glider

ハンググライダーの競技について 

私は競技フライトが好きだし、競技で一緒に飛ぶ仲間達が好きだ。

2008年から競技に参加するようになったが、ゴールできなければ悔しく、ゴールすれば面白く、もっと速くゴールしたくなり、機体を買い替え、装備を買い集め、仲間と飛び方を研究し、という具合で、どんどんのめりこむことになる。
この過程はとても楽しい。

何年か続けていると、ある時点で、これ以上の順位を目指すにはさらに高い次元の努力が必要ということに気付く。私は15位くらいを取れるようになった時点で、トップ10や代表クラスの強さを思い知った。
そこでさらに努力して上位を目指すことができる人は、さらに上達していくのだろう。

今でも競技そのものは楽しいと思えているが、何年やっても同じような成績であることに飽きてしまうという気持ちもよくわかる。それに、上位選手と対等に飛ぶために機体を3~4年に1度は買い換えるというのはかなりの負担だと思う。

実際に、私が出場し始めた2008年と比べても、選手数は次第に減少している。
正直なところ、あと3年程度で、大会が成立する人数を集められなくなる可能性さえあると考えている。


ちょっと立ち止まって考えてみよう。
今のクロスカントリー競技で、どんなタスクでもゴールできる可能性がある機体となると、130万円くらいはする。
さらに流線型のハーネス、GPSとルート機能のついた計器、と買い集めていくと、相当な金額になる。

こういった機材を使いこなせるレベルに達するのに、普通の人ならばハングの講習を始めてから最低5年はかかるだろう。
シングル機からはじめてダブル機、キングポスト付き上級機、と来て4機目でキングポストレスに乗り換えることを考えると、5年でも早いほうかもしれない。


昔を振り返ってみよう。
まだキングポストレス機がなく、競技に使える最高性能機といっても現在の中級機くらいの性能だった20年前、その値段は60~70万円くらいだった。ハーネスも中級者が使う物と大差なかったし、計器はバリオとカメラくらいだった。
大学3年生くらいで使いこなせる装備で、トップ選手と同じ土俵に立つことはできた。
これならば「ちょっと大会にでも出てみるか」という気持ちになるかもしれない。
大会には人があふれ、定員がいっぱいになって参加できないという状況だった。
(ただし、大会の雰囲気がピリピリ・殺伐としていたので、ある意味で心理的なハードルは高かった)

機材の値段が昔より高くなっているのは仕方がない。性能も安全性も操縦性もはるかに向上しているのだし、世界的に原材料費や人件費が上がっているのだから。
しかし、それを置いたとしても、だ。

60万円の機体と10万円のハーネスがあれば、とりあえずトップ選手と同じ土俵に立つことはできるのと、
機体だけでも130万円出さないとゴールすらおぼつかないのとでは。

競技に入ってくる若いパイロットが少ないことについて、今の若者は競争心がないなどと言うべきではない。
こんな費用のかかることに、そうやすやすと入れる方が希有な存在なのだ。


今年の2月にCIVL総会に行ってきたが、まさにこのことが議論されていた。
ヨーロッパでは日本よりも状況は厳しく、現在の形のクロスカントリー競技は「失敗だった」とまで言われていた。

現在のクロスカントリー競技は、車で言えばF1だ。
決められたコースを速く飛んだ者が勝ち。文句なしにハングの実力を測ることができる。
この競技には価値があるし、今後も続けるべきだと思う。

問題なのは、競技をするとなるとF1に参加するしかない、という選択肢の狭さだ。
車ならば、サーキット競技だけでも、カートから始まる排気量別のクラスがあり、その最高峰にF1がある。
ジムカーナやラリーといった競技もあるし、セーフティートレーニングに参加するだけでも意義があり楽しい。

ハングの競技も、性能別にクロスカントリー競技をしてもよいし、他のことを競っても良いのかもしれない。
必ずしもキングポストレス機が必要でない競技ならば、参入障壁は低くなるだろう。
ただし、滞空時間や着陸精度を競う競技では、どうしても「お遊び」と思われがちで、これでは沢山の人を引きつける競技にはなりにくいように思う。やはり競技である以上は、参加者が夢中になって飛び、途中で下した判断について振り返って語り合う、という要素は必要だと思う。

「ハングの競技」だからといって、既存の競技種目だけにとらわれず、他のスポーツも参考にして、新しい種類の競技を作っても良いと思う。いや、そうしないと、競技大会自体が成立しなくなる時代が、すぐそこまで来ている。

この夏初めて世界選手権が開催された「スポーツクラス」についても、CIVLの中でも定義はできていない。
今、日本発で新しいルールを考案できれば、それが今後の世界標準の競技になるかもしれない。
熱気球、セールプレーン、オリエンテーリング・・・他にも参考になるスポーツはいくらでもあるはずだ。
知恵を絞って新しい競技種目を生み出し、再びハング競技が大盛況になる時代を見てみたい。
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Posted on 22:42:35 «Edit»
2014
11/14
Fri
Category:Hang Glider

なぜハングを仕事にしたか(20年計画) 

ホラ吹きと思われるかもしれないが、20年計画で考えていることを一度表に出しておいてもいいかなと思う。

20年後までに、ハング人口を1万人にする。
20年後までに、ハングを保険に入れる安全なスポーツにする。
20年後までに、ハングの世界チャンピオンを日本から出す(女子は既にチャンピオンが出たが総合のチャンピオンも出したい)。

2010年にハングの体験飛行の仕事を始めた時から掲げている目標はこの三つであり、このためにハングの仕事をしている。


私は19歳の時に飛び始めて、これほど面白い遊びは他にないと思っている。
しかし、現在のハング界が置かれた状況を考えると、10年もたたずに絶滅しかねないという危惧を抱かざるを得ない。
ハングが産業として確立されていれば、私も趣味で好きに飛ぶだけなのだが、残念ながらそうなってはいない。
あと30年は飛びたいのに、この先、飛ぶ場所がなくなるのは絶対に避けたい。

だから自分で始めることにした。

ハングを安全で楽しいスポーツとして世に広め、今後もずっと楽しめるようにするにはどうしたらよいか、自分なりに考えて、できることをやってきたつもりだ。

出張体験飛行から初めて、今はnasaという沢山の人が集まるスクールの運営に関わっている。
体力的にも厳しく、困難な事態にもよく遭う仕事だが、毎日が大きな目標を実現するための一歩だと思えば苦にはならない。

昨年から教え始めた講習生達は順調に上達し、今年の新人も山から飛んでいる。
この世代が飛ぶことを心から楽しみ、次の世代を誘い育ててくれるようになれば、安定したスクールになる。
そのために、安全に楽しく上達する方法をどう伝えるか、いつも考えている。
その次は、今後何年かかけて、普通の若者が入社したくなるような普通の会社にして、インストラクターも継続的に育てることが必要で、これが当面の目標だ。

三つの目標を実現するためには、さらにやることがあるのだが、これについては今後少しずつ書いていこうと思っている。

次回はハングの競技と日本代表について思うところを書く予定だ。
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Posted on 21:57:41 «Edit»
2014
11/13
Thu
Category:Hang Glider

久しぶりに投稿 

春先から色々とあって、ブログをすっかり放置してしまった。

空を飛んでいて初めて大きな怪我をしてしまったが、これはひとえに風の判断が甘かったせいだ。
風があやしいとわかっていたのに、「行けるだろう」で出てしまった結果、しばらく飛べないことになってしまった。
「迷ったら安全側」の鉄則を守ることを改めて誓う。

7月のフランス・アヌシーでの世界選手権では、嬉しいニュースも悲しいニュースもあった。
現地に行けなくなった分、毎晩遅くまでトラックログを見て現地に情報を送り続けていたが、あの時のショックは忘れない。
小林さんは私が飛び始めた時の2年上の先輩で、大事なことを沢山教わった。
日本ハング女子は個人とチームの両方で優勝した。
普段から親しくしているメンバーが歴史的快挙を遂げたことは本当に嬉しい。


最近は、インストラクターとして次の世代を育てることに生き甲斐を感じている。
たとえば、言葉を尽くして基本技術を説明するのだが、旋回中の微妙な体の使い方など、伝えきれるものではない。
しかし、講習生たちはいつのまにかそういうコツを体得し、ランディングアプローチで絶妙なタイミングで旋回したりする。
これがたまらなく面白い。


さて、2015年2月~3月にメキシコのバジェ・デ・ブラボで開催される世界選手権に、チームリーダーで行くことに決まった。
治安が悪いという情報があったり、標高が高い分ランディングが難しかったりと、気をつけなければならないことは多いが、8人の選手が伸び伸びと実力を発揮できるよう、今までに積み上げた経験と人脈を活用して全力でサポートしたい。


40代は働き盛りというし、実際にそう感じているが、同時に人間の寿命も意識してしまう。
平均寿命の半分を生きてしまった以上、限られた時間の中で何をどう成し遂げていくかを考えつつ、一つ一つ実現していきたい。
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Posted on 21:15:17 «Edit»
2014
03/16
Sun
Category:Hang Glider

ハング競技の未来(CIVL総会から) 

2/20~23、インドネシア・バリ島で開催されたCIVL(Committee Internationale Vol Libre、国際ハング・パラグライディング委員会)の総会に出席してきました。
日本の代表は岡さんで、私は今回オブザーバーという立場です。

総会の議決事項の詳細は、JHFウェブサイトに掲載されているCIVLレポートを参照していただくとして、今回一番気になったのはスポーツクラスに関する議論でした。

今夏の世界選手権でスポーツクラスを設けるにあたって、その位置づけには立場によって異なる意見が出ていました。
・上のクラスに出る前の登龍門と位置づける。
・最高クラスの選手が、性能を抑えた機体で競うものになるのでは。
・世界選手権を名乗る以上は、選手の技量に制限を付けるのはおかしい。
・カテゴリー2のスポーツクラスに出場してポイントを持っている人だけが出られるようにするという案。

共通するのは、このままでは競技に出る人がいなくなってしまうという危機感です。
競技参加者の減少は、ヨーロッパでも日本と同様、あるいはそれよりも深刻なようです。
機材は高性能化し、高価になって、競技のレベルも高すぎて参入障壁が高くなってしまった。
もっと入手しやすい機材で、新規参入しやすい仕組みにしなければ未来はない、という認識は共通しています。
そして、座長が「スポーツクラスは、現在のオープンクラス(キングポストレス)の失敗の轍を踏んではならない」とまで言ったことには衝撃を受けました。

さて、これは日本の競技会にとっても対岸の火事ではありません。
HGシリーズの登録者も減少しているし、大会参加者も少なくなっている。
そもそも、大会数もだんだんと減ってきているのが現状です。
ハンググライディングというスポーツをこれからも長く楽しむ上で、競技のあり方を考える時期が来ているのは間違いないでしょう。

スポーツクラスの振興か?
数十万~百万人の観客を集める熱気球のように、競技性より観客へのアピールを重視する路線か?
それとも・・・?
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